■プロローグ
「やぁ、初めましての人は初めまして。お久しぶりな人はお久しぶりです。
僕はグレジア、創造を司る神で原始12神の一人だよ。
今回は僕を中心にして新世界ってどんな世界なのかを皆で話していこうと思っているよ。
前回とは世界が違うわけだから、背景も違うものに変更してみたよ」
「…ふにゅ、よろしく、です」
「さて、新世界について話していくけど、僕とガイアちゃんの2人だけだと寂しいからゼウト兄さんやチェルバ兄さんを呼んでいこうか、おーい!兄さんー!」
「我は原始12神の一人、生命を司りし神であり、全ての神を統べる主神ゼウトである!恐れよ人間、崇めよ人間!その目に我を映すことを光栄に思うが良い!」
「……兄者、ここに人間はおらんぞ」
「え、あ、マジ?じゃあオフモードでいいってことだな、うん!じゃあさっきの自己紹介は忘れてくれ!
俺は主神ゼウト!一応神々全員を従えてる神様だ!」
「自己紹介が遅くなってすまない。我はチェルバ、世界を司る神じゃ」
「兄さん達久しぶり!元気にしてた?」
「あぁ、もちろんだ!この通り元気だ!グレジアも元気してたか〜?本編だと色々とやってくれたがここでは大丈夫か〜?」
「…もちろんだよ!チェルバ兄さんは?」
「…あまりこうして顔を見る機会がなかったからの。…久しぶりじゃなお主ら、我は元気にしておったぞ」
「そーかそーか!チェルバの最後があんなのだったから、本編外だと精神状態どうなってるか不安だったけど問題ないみたいだな!
…ところで、俺らで新世界がどんな世界なのか話してくって聞いたけど、寝てるぜ?俺らの母さん」
「むにゃぁ…」
「相変わらずの爆睡っぷりだなぁ…。じゃあ僕ら3人で新世界について色々と話していこうか!」
■『原始12神』について その1
「じゃあ時系列から話していこうか…と思ったけど、まずは僕たち原始12神がどういうものなのかを紹介していこうか!新世界を作ったのはガイアちゃんだけど完成させたのは僕たち原始12神だからね。
始まりのことをちゃんと説明するなら、僕たちがどういう存在かを先に紹介した方がいいかなって思ってね」
「となると、他の原始12神の奴らを呼びにいった方がいいじゃろうか」
「あー、その前にちょっといいか?
ここにいる俺らって時系列だとどのあたりの俺らだ?」
「…今回のメタ発言枠はゼウト兄さんになるのかな?」
「違え!!なんでそうなるんだよ!!…ただ確認しておいた方がいいと思ったから聞いただけだよ!!」
「基本、ここに登場する奴らは皆本編終了後であると思うぞ」
「あーなるほど、俺と一緒ってことでいいのか。
…どうりでグレジアがなんかよそよそしいと思った訳だよ」
「…まぁ、本編で色々とあったからね。どうやって接しようか迷ってたけど、兄さん達を見ていつも通りでいいんだなぁって思ったよ」
「お前は気にしすぎなんだよ、グレジア」
「…ふふ、ありがとう兄さん。それじゃあ本題に戻って僕ら原始12神がどういう存在なのかを話していこうか」
「俺らはまず、そこで爆睡して寝てる母さんから作られた存在で、新世界で初めての生命体ってところだ」
「新世界での始まりの存在、というものがあるから原始とついておるんじゃ」
「それが12人いるから12神ってな」
「原始12神は新世界の創造主、ガイアちゃんから作られた新世界での始まりの存在っていうことかな。そして、僕らは創造主から作られた神様で、新世界の神様全ての始まりの存在でもあるから原始12神っていう意味もあるよ」
「で、そいつらを纏めてるって言われてるのが俺」
「僕らのリーダーは兄さんだからね、だから二つ名が『主神』なんだよ」
「正直俺には荷が重すぎるぜー…」
「まぁまぁ、兄者は責任感もありリーダーシップもある。これ以上に主神にふさわしい奴がおると思うか?
他の奴らを考えてみよ、ある者は破壊活動や争いばかりを起こし、ある者は他人を不幸に陥れその様子で悦に浸る者、自己中心的な考えて多くの存在の運命を歪ませていく者…。そんな奴らにこの世界を任せてみろ?すぐ破滅するぞ」
「あー…うん、そうだな。あいつらに任せたら新世界編なんてできないぐらいすぐ消滅してただろうなぁこの世界…」
「主神は兄さんだからこそ成り立つものだよ」
「お、お前らお兄ちゃんを泣かせる気か!?」
「…こういった感情で涙を流せる方がいいでしょう?さっきからずっと泣きそうな顔してたから、ここで思い切り泣いていいんだよ、兄さん。
そして泣き止んだら久々にいろんなことを話していこうよ、あの時話せなかったこと、沢山あるんだ」
「…あぁ、そうだな、そうだよな。ったく、まさか本編外のところで泣かされるとはなぁ」
「…お主らとこうやって笑い合える、そんな未来があったのだな」
「あのさぁ君たち、ここは本編とは関係ない場所なんだから、本編事情をここにぶち込んでないで早く話を進ませてよ」
「うわ、創造主…」
「なぜこんな早くから奴が登場しておるのじゃ。奴の出番はまだ先であっただろう」
「…創造主さん」
「ここはそんなしんみりしたシリアスモードでお送りする場所じゃないんだけど。
このままだと君たち三兄弟が感動の再会を果たして駄弁ってるとてもつまらない回になっちゃうじゃないか。本編が公開されてるのならまだしも、まだなにも公開されてないんだから君たち以外の人は皆『???』ってなってるよ、退屈だよ、つまらないよ!はやく話を進ませたくて思わず初っ端から登場しちゃったよ」
「本当、こんな奴の所為で俺たち兄弟が決別したと考えるとイラッとくるぜ!!」
「兄さんが前回の創造主さん枠になってる!!!」
「んだそれ!?」
「全く困るなぁ、版権ネタとメタ発言は私の十八番なんだけど…?」
「いやそんなの知らないからな!?」
「…さて、あやつらは置いておいて、とりあえず原始12神のまとめでもするか」
「…そうだねチェルバ兄さん。
原始12神は新世界の創造主、ガイアちゃんが一番最初に作り出した存在のことでそれぞれが何かを司る神として作られているんだ。
そしてその司るものに関わる力を持っていて、例えば僕は『創造』なのだけれど、その言葉の通りになにかを創造したりすることができるんだ」
「待てグレジア、初出しの情報が無かったか?」
「あぁうん、そうだね。それぞれが何かの属性を司っているっていうのは初出しだったね」
「…まだちゃんと原始12神について紹介できていないということじゃな。
ということは、それぞれ何を司っていてどういった力を持っているか紹介していくべきじゃろうか」
「そうだね、それじゃあ次のコーナーも原始12神について紹介していこうか!」
「おいグレジア!創造主との言い合いはお前から始まったことだぞ!?なに自分は関係無いって顔してチェルバとまとめてるんだよ!!!」
「…あは、グレジア君本編よりも楽しそうだ」
■『原始12神』について その2
「それじゃあ順番に紹介していこうか。まずは最初に紹介する人だけど…やっぱり主神のゼウト兄さんから紹介していった方がいいんじゃないかな」
「そうだな、よしじゃあ俺から行くぜ。
俺は主神ゼウト。俺が司るのは『生命』。無機物に命を吹き込ませて生物にしたりと、生命に関わる力を持っている。他には死者を生者として蘇生させることもできるが、この力はあんまり使わないようにしてるなぁ。
普段何をしているかといえば、地上に生まれる生命達の管理をしていたり送られてくる生贄をなんとか送り返したりして、毎日忙しい日々をすごしている!」
「兄さんは一番名前が知られているし、信者の数も沢山いるから生贄が沢山送られて来るんだよね。
最近は滅多に来なくなったけど、昔はすごかったからねぇ…」
「人間が生贄を捧げることをしなくなったのは、こちらとしてもとても助かっものじゃ」
「私には生贄なんて送られてこなかったよ?」
「いやお前のことを知る存在なんてごく一部しかいないだろ…」
「…さて、次は我じゃな。
我は世界神チェルバ。我が司るものは『世界』。
世界を作り出したり世界同士が反発し合わないように調和させたり、境界線を頑丈にして世界それぞれを独立させるといった力を持っておる。我の役目は世界を共存させること。新世界の中にも現界、天界、冥界、魔界、鏡界といった様々な世界が存在しており、我はそれら世界の境界線を保護しておる。
…こんな大事な役目があったというのに、我は自我を失い破壊神と成り果ててしまったことで、世界の境界線が薄れ、世界同士が反発、もしくは同調してしまい、世界の形が歪んでしまったのじゃ。
我ながら、なんと情けないことか」
「…兄さんは悪くないよ。あれは、僕の…」
「はいグレジア君、そこまで。それ以上言っちゃうと『狐の神様と生贄の少女』という物語のネタバレになっちゃうからね。秘密、だよ?」
「あぁそうか、ヘタに間違えれば深刻なネタバレをポロっと漏らしちゃうもんなぁ。
…まぁ創造主のことは置いておいて、グレジア、お前の番だ」
「…それじゃあ、自己紹介させて貰おうかな。
僕は創造神グレジア、『創造』を司る神だよ。力としては何かを作り出したりする、まぁ言葉通り『創造』する力を持っている感じだね。僕の役目は×××————ってあれ、これもネタバレ?」
「念には念をってやつだ」
「あー、うんじゃあ僕の自己紹介はここまでにしておこうか」
「グレジア君の役割は別にネタバレでもなんでもないと思うけど?」
「まぁ、俺たちの母さん、ガイアに最も近い存在っていうのから役目は察してくれ」
「…兄者、それは少々強引すぎではないか?その言葉だけでは察することなんてできぬぞ」
「というかぶっちゃけるど、役目がちゃんと決まってない奴が結構いるんだよな」
「そ、それは公言していいものか…?」
「気にしたら負けっていうやつだよ世界神君。さて他の人は私が簡単に紹介していこうかな。
まずは切望神デザイア君、彼は『願い』を司る神様で、人間達の願いを叶えてくれる一番都合のいい神様かな」
「しょ、紹介の仕方!もっといい言い方があっただろう!!」
「んー?別にいいんじゃないかな、間違ってないし。
そして次は時神クロムちゃん。『時間』を司る神様で時の流れを操作するといった力を持っているよ!
役割は世界の時の流れを調節したり異常な時の流れを正常に戻したりと、結構重要な役割をしているみたいだね」
「クロム、あやつ、あの後どうなったのじゃろう…」
「さぁ?目を奪われた後のことはまた別のコーナーで紹介されるんじゃない?
それじゃあ次は記録神ノア君。新世界を記録していくのが彼の役目で、能力は全世界を監視することができる力と、自分と同じように世界を記録する存在を生み出す力じゃない?…あぁ、自分と同じ性質の神を生み出す力は他の子も持ってたねぇ」
「そうじゃな、我ら神は自身の神力と依り代となる物体さえあれば自分と同じ性質を持つ神を生み出すことができる。その力で生まれたのが第二世代、第三世代と言われる神々の子らじゃ」
「この辺りはまた詳しく別コーナーでやっていこうか!
それじゃあ次は、と話していくつもりだけど飽きたから後のメンバー紹介は君たち三兄弟に任せるね!」
「まぁ、こうなるんじゃないかと薄々思ってたよ…。
それじゃあ更生神フィラルについて紹介するか。こいつは『再生』を司る神で、魂の流転のことについて深く関わってくる神だな。
持っている力は言葉の通り『再生』する力を持っている。役目としては生物達の魂の転生の管理や様々な出来事の後始末…まぁ、主にヴィゴーレが破壊したものを再生させて元通りにする、ってことをやってくれている。原始12神の中では俺と同等、もしくはそれ以上の忙しさだから毎日大変そうにしているみたいだ」
「フィラル君の忙しさはすごいからね…死者数が多い時期だともっと大変なことになるからよく発狂している姿を見るよ…」
「本当、あの忙しさは尋常じゃねぇ…俺も生命のバランスと保つためにも色々しなきゃいけないし、本当なんで、老衰して死ぬまで生きてくれないんだろうなぁ」
「老衰するまで生きることは難しい、そういうものじゃ」
「ねぇ、早く次の子紹介してくれない?」
「こ、こいつ…!!!」
「まぁまぁ、落ち着いて兄さん。…それじゃあ、次に運命神ディスティア君のことを紹介しようか。
ディスティア君は『運命』を司る神で、人々の運命を管理する役目を持っているんだ。
所持する力は他人の運命を変換させたりと、『運命』に深く関わる力を持っているね。
…彼の場合、その力を自分の都合のいいように扱っちゃってるから、気まぐれに運命を変えちゃうのはやめて欲しいなぁと思っているんだけどね」
「あいつの場合、自分の思い通りにならないことを一番嫌うからなぁ…」
「世界の理不尽さを思い知らせるのはそういった奴らの方が楽しいだろうって、アルバート言ってたなぁ」
「せ、性格が歪んでおらぬか、そやつ」
「それじゃあ次にアルトについて紹介するか!
陰陽神アルト、こいつは『光』と『闇』を司る神で善悪を象徴する神とも言われてるな」
「……ねぇ兄さん、多分それ初出しの情報だよ」
「えっ、それ本当か…?てっきり公開されてる情報だと思ってたわ…。
まぁ、気にせず次にいこう次に!
こいつは二重人格者で、明るく元気な人格は『ルミエール』、冷静で大人しい人格は『フォンセ』というらしいが、面倒だから俺らは『アルト』と呼んでいる。
俺たち原始12神はそれぞれ『神域』という空間を所有しているんだが、こいつは自分の神域ではなくノアの神域で読書をしていることが多いな。…ってあれ、これ能力や役目の説明じゃなかったわ」
「そういえば、我らはそれぞれ神域を所持していることも言っていなかったな」
「だーっ!どれだけ説明し忘れてるんだ俺ら!
…まぁ、俺たちにとっては当たり前というか、深く考えたことも無かったことを紹介しているからかなぁ」
「…そうだね。じゃあアルトの紹介に戻るけど、アルトの持っている力は精神状態に影響するものが多くあって、闇堕ちさせたりする力もあるって聞いたな。アルトの役割は光と闇の調和だね」
「それじゃあ次はメアリーデについて紹介していくか。
夢幻神メアリーデ、こいつは『夢』を司る神で『夢世界』の管理が主の役割だな。
力としては他人の夢に入り込んだり、他人に夢を見せたり…まぁ、俗にいう夢魔のような力だな。
面白い奴でな、よく夢世界で俺とグレジアに手品を見せてくれたもんだ!…また見たいと思うが、あいつはこの世界に存在できるのか?」
「さぁ…?実体を持っていないから難しいんじゃないかな。
でもここはパラレルワールドだし、なんでもありな場所だから問題ないんじゃない?」
「そ、それでよいのか…?しかし、気にしては負けじゃな。
…さて、次は慈愛神イヴについて話をするか。
イヴは『愛』を司っている神であり、イヴの持っている力は…少々言いづらいのだが、まぁ、あれだ、愛…愛の力じゃ…」
「チェルバ兄さんが『愛の力』っていうと、妙に説得力があるよね」
「や、やめるのじゃ、そんな微笑ましい顔で我を見るでない!!」
「はは、照れるチェルバも久々に見たな!
…イヴの役割は愛を与えたり愛を受け止めたりとか、そんな感じじゃなかったか?」
「…真実の愛を象徴する、黄金の林檎かぁ」
「…?グレジア、どうした?」
「あぁ、なんでもないよ!…それじゃあ最後にヴィゴーレ君を紹介して終ろうか。
戦神ヴィゴーレ、彼は『力』を司る神で、その役割は世界の力のバランスを保つといったものがあるね。
かつて存在していた旧世界は、力のバランスが保てなくなって崩壊したって聞いたから、力は世界にとって重要なものだろうね」
「あいつの力は桁外れだからなぁ。それだけでも厄介なのに戦闘狂ときたもんだ。
正直あいつには何もしないで貰いたいと思うが、執行者を纏めてたりと色々とすごいことやってるんだよなぁ何気に…」
「昔は対等に渡り合える相手がいなかったけど今では神原さんや巡邏君といった子がいるから随分落ち着いたと思うよ?僕は。
…幸せそうじゃないか」
「神殺しをした人間を連れてきたって聞いた時は驚いたけど、なるほどそういうことか…。
本当お前は、本編で暗躍しまくるなぁ!」
「ふわぁぁ〜…んー…あれ、終った?」
「お前、急に静かになったと思ったら寝てやがったな…」
「まぁ原始12神のことなんてどうでもいいし、早く新世界のことについて話していってよ。
今回は新世界の時系列まで話す予定なんだから、あんまりここでスペース取ってたら後が大変なんだよ」
「それぞれの物語についてはまだしも、種族のことや世界観のことは話さないのか?」
「あーうん、種族とか立場とかの話はまた別にやるけど、世界観はここで話さないと駄目だねぇ。
でも新世界は物語によっては世界観が大きく変わるから、時系列と一緒に世界観についても話していこうか」
「…いつになったら紹介されるのか待ってみたが、あんたら俺のこと忘れてるだろ」
「…お主、誰だ?」
「あぁ、そういえば君も原始12神の一人だったね。
紹介するね、チェルバ兄さん。この子はジェラン。
存在しないはずの13番目の原始12神で、役目も目的も持っている力も不明だけど、神を殺す力を持っているのは判明しているみたいだ。
まぁ、僕たちの一番の末っ子だね!」
「なに馴れ馴れしい言い方しているんだお前は」
「お前、グレジアよりも身長高いんだな…」
「あ、本当だ。グレジア君は188cmなのに対してジェラン君の身長は190cmで、2cmも違うみたいだね」
「比較的高身長男子が集まる原始12神の特徴に見事当てはまっている…確かにお前は原始12神だな」
「なんだその判別の仕方」
「さて、新しくジェラン君が追加されたし、新世界の時系列とそれぞれの時代の世界観について話していくよ〜」